熱川という土地で商売をさせてもらっている、という感覚
私(若旦那)はこの熱川という土地で旅館の仕事をさせてもらっていることを、誇りに思っています。
海沿いの小さな温泉町で、決して規模の大きなエリアではないのですが、湧き出るお湯の質だけは自信を持って「いい湯」と言えます。
旅館の仕事をしていると、自分たちが作っているのは料理や部屋というより、「この土地の温泉を、ちゃんと届けること」なんじゃないかと思う瞬間があります。
今日はそのあたりの話を、率直に書いてみようと思います。

熱くて長湯できない、それでも元気になれる湯
正直に言うと、熱川の湯は長湯できるタイプではありません。むしろかなり熱いです。ただ、僕はこの熱さこそが熱川の湯の良さだと思っています。
熱いお湯にさっと浸かると、体がエネルギーを一気に吸収する感覚があるんですよね。
汗をどっとかいて、悪いものを出し切って、そこから温泉のエネルギーをもらって元気になる。
ゆっくり長く浸かるタイプの癒しとは少し違って、「もらって、出して、また満ちる」ような湯だと思っています。
二人で来られたお客様が、湯上がりに顔色まで変わっているのを見ると、この土地の「湯の力」を毎回実感します。
「ふたりの湯宿」は、正直、うちの規模ならではの割り切りです
うちは決して大きな旅館ではありません。だから「ふたりの湯宿」というコンセプトを掲げているのは、
実はそんなに格好いい話ではなくて、単純に「この規模だからこそ、二人でゆったり過ごしていただくのがちょうどいい」という、割と正直な理由からです。
大きな宿のように団体様や賑やかな宴会に対応する構えではない分、一組一組にかけられる目とお湯の余裕は、
二人旅のお客様にとってちょうどいいバランスになっていると思っています。
手が回りきらないことを無理に広げるより、この規模でできる「ちょうどよさ」を大事にしたい、というのが本音です。
若旦那として、率直におすすめしたいこと
疲れが溜まりきってから温泉に来るお客様も多いのですが、個人的には「疲れているうちに」来ていただくほうがいいと思っています。
回復するスピードが全然違うんですよね。
熱川という土地で商売をさせてもらっている身として、この土地の湯を、ちょうどいい規模の宿で、二人でゆったり味わっていただく——それが今のうちに一番できることだと思っています。「そろそろ限界かも」と思ったタイミングで、ふらっと二人で来ていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

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